自動車整備時の締め付けトルク、ネジについての覚え書き

自動車整備の仕事から離れてしまうとそれまで無意識にやっていた事を忘れてしまいます。

あれ?これって何ニュートンで締めれば良いんだっけ?と忘れてしまうので

整備士歴10年の僕が仕事でよく使う、よく締めるボルトやナットのトルクなどをまとめました。

※あくまでも自分の覚え書き兼整備が普通にできる人向けにまとめているので、書いてある意味が分からない人はプロに任せましょう。知識も技術も無い人間がクルマやバイクを触るのは本当に危険です

ホイールナットクリップナット 、ボルトトルク

国産車は殆ど110N

メーカーよって108とか指定があるが、大事なのはそれなりのトルクで均等に締めること!

軽は85とか98とかあるけど、実務的には110で締める。20N多いからなんだって話

実際どちらにしてもM12 なんだし

トヨタ 21mm ピッチ1.5mm

ニッサン 21mm ピッチ1.25mm

ピッチ1.5→トヨタ

ピッチ1.25→日産、スバル

ベンツ、BMWなど外車のボルトタイプは120〜130Nくらい。レクサスのボルトタイプもこっち。

17mm

実際実務ではボルトタイプは120で締めてる

エンジンオイルドレンボルト

30N

大体どれも30N前後なので、30Nで締めておけばOK

国産〜欧州車、アメ車も大体30くらい

アメ車はインチだが、スナップオンの1ミリ刻みのソケットがあればまず困る事は早々ない。

欧州車は大体13mm

アメ車は15mmとかでイケる。

ドレンパッキンはトヨタのが日産にも使えて漏れにくくて良い。

オイルフィルター

ガワが金属の物は基本手締めでいっぱいでOKだが、実務では工具を使う

トヨタV911-010スズキダイハツニッサンNS-004など一般的な車種は大体64mm

たまに変なメーカーのエレメントが付いてると63なことがある

KTCのオイルエレメントレンチは内側は9.5だが、外に24mmのメガネがかけれるので、緩める時は外に24mmのメガネをかけた方が圧倒的に緩めやすい。

カートリッジ式の外側がプラスチックで出来ているタイプのもの

25+-5N

プリウスやベンツ、BMWもほぼ全て25プラマイ5N

これはケースに書いてありますね。

なので大人しく書いてある通りに締める

トヨタの金属性のケースのものも25N

ベンツとかBMWは24とか27のソケットで緩めるものが多い

アルファロメオとかはとんでもない場所にあるだけでなく、普段使わないようなサイズのしかも薄口ソケットが必要になったりとかなり厄介なパターンがある 26とかだった気がする

足回り

30アルヴェルFストラットアッパーマウント

50N

14ミリのナットのアッパーマウントは多分ほぼ全て50N

12のは30Nくらい

アルヴェルのストラット下2本のナットは220N

インチネジについて

アメ車のインチのボルトナットは、1mm刻みのミリ工具があれば、余程の事がない限りまず困らない

3/8インチ→9.5mmだから10mmで代用できる

1/2インチ→12.7mmだから13mmで代用できる

こんな感じでほぼ近い数字だから、6角のソケットならまず普通に使える

あまりにも固かったりすると困るが、アメ車はピッチが荒いネジが多い気がする(特に太いボルト)から、あんま困った事が無い。

なのでわざわざインチ工具を買い揃えなくても、スナップオンの1ミリ刻みのミリ工具セットがあれば何とかなる。

ちなみに、プラスネジもアメ車と国産車だと微妙に違います

アメ車用のプラスドライバーは先端が尖っている

国産向けのは先端があまり尖っていない

インチネジの方がプラスの先端が深いという事ですね。

昔のスナップオンのドライバーは先端が尖って居たので、国産車に使うと舐めやすいから先端を少し削るといい

現行品はだいぶ改善されたので、そんな気にしなくてもいいんですが

ちなみにマックツールからは日本車専用という謳い文句のドライバーセットが販売されています

ぴったりすぎて磁気が無くてもネジが落ちない!みたいにアピールしていますね。

欧州車のネジが切ってないアルミ部品(ステアリングナックルなど)

欧州車のステアリングナックルなどアルミ製の部品を新品で買ってとりつけようと思った時、雌ネジが切ってない⁉となるけど不良ではなく元々そういうもの

アルミ製なんだから、ネジ締めてけば勝手にネジが立つでしょ?という考え方

車速センサ(ホイールスピードセンサ)のM6のネジとかがコレ

確かに雄ネジがタップみたいに螺旋状の溝がある構造になっているので締めれば勝手に雌ネジが切れる

こんな感じで欧州車は結構合理的というか適当というかざっくりした作りなことが多々あります

まぁ日本車が細かすぎるんですけどね…

アメ車のロアアームの構造

2010年代のチャージャーのフロントロアアームはボルトを刺す場所、差し方によってキャンバーを変更できるようになっている

考えた人マジで天才

なので交換する場合はどの場所にどの向きでボルトが刺さっていたかをしっかり見ておく

まぁ本来ならアライメントをやるべきなのですが

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